【ポケモンレジェンズ アルセウス レビュー】面白くないという意見は本当なのか?買うべき?アルセウス捕獲したので評価と感想書きます!【ネタバレ控えめ】

こんにちは!清芽津です!

以前に感想記事を書いた「ポケモンレジェンズ アルセウス」ですが、ようやくアルセウスを捕獲してひと区切りついたのでレビュー記事を書こうと思います。

結論としては、「非常に面白いのは確かだが、人を選ぶ」というゲームだと思いました。

では、詳しく見ていきましょう。

いくつかの観点で見ていきます。

観点1 世界観

まず世界観についてです。

今作ではヒスイ地方と呼ばれる場所が舞台になっています。

これは、過去作の「ダイヤモンド/パール/プラチナ」(以下、DPt)と「ブリリアントダイヤモンド/シャイニングパール」(以下、BDSP)の舞台であったシンオウ地方の昔の呼び名になっています。

PVやCMを見ればわかりますが、これまでのポケモンに比べると非常に和風テイストが強くなっています。

ポケモンシリーズとしては非常に珍しいので、新鮮な気持ちで楽しめました。

例えば主人公の服装やモンスターボールのデザイン、BGM、ポケモン図鑑、いろんな所に和風要素が使われています。

ただ、主人公が所属するギンガ団の本部は洋風な内装になっているので、完全に和風なのではなくて明治、大正時代ぐらいの雰囲気かなと思います。

一方で、神話時代に作られた構造物はまた別の雰囲気を持っているのも面白いところでした。

もう一つ、今作の大きな特徴として挙げられるのはポケモンと人間の関わり方についてです。

モンスターボールでポケモンを捕まえるということ自体が一般的にはなっていない時代の物語なので、当然ながら関係性も異なってきます。

作中では「ポケモンは恐ろしい生き物」ということが何度も言及されますし、フィールド上ではポケモンが主人公に直接攻撃してくることもあります。

ポケモンに襲われた怪我を治療している人もいますし、ポケモンに故郷を滅ぼされ、仲間も大勢殺されたという人もいます。

これまでのシリーズでは聞くことがなかったであろうセリフ

今までのシリーズではありえないことですよね。

今まで描写されてこなかった一面について強調されているのも非常に興味深かったです。

ですが、ポケモンは恐れられるだけの存在ではなく、「畏怖」の対象であることも語られます。

ポケモンに対する「畏怖」自体はこれまでのシリーズでも描写されてきましたが、人とポケモンの距離が遠い今作だからこそ「畏怖」というものが際立っているのだと感じました。

そんなわけで世界観は非常に好感触でした。

気に食わないことあるとすれば、和風の世界観なのにカタカナの横文字が多いということです。

でも「ポケモン」という言葉自体が横文字なのでそこまで気にするのはナンセンスなのかもしれません。

良かったところ

・今までのシリーズになかった和風要素

・今までのシリーズとは違う人とポケモンの関係性を見ることができる

良くなかったところ

・世界観の割に横文字が多かった(ほぼ難癖)

評価

★★★★★★★★★★ (10点中10点)

清芽津
清芽津

従来とは全く違う方向性に挑戦してくれたのでうれしいです!

観点2 ストーリー

ストーリーについては流れだけを見ると薄味な印象を受けました。

しかし、もっと大きな目で全体を見渡すと非常に世界観にマッチしたものになっているなということも感じました。

ある日突然「時空の裂け目」が空に現れ、そこから落ちた雷によって「キング・クイーン」が荒ぶってしまったので何とかしましょう、というのがストーリーの大筋です。

まあ終盤にはもうひと悶着あるわけですが、ネタバレ配慮ということで黙っておきます。

基本的には薄味ですが、逆にいうと主張の少なさでゲームを楽しみやすくなっている部分もあるので一概に悪いとは言えないかと思います。

薄味は薄味ですが、これによって本作のストーリーのもうひとつの特徴が強調されます。

それは、非常に「神話的」だということです。

「DPt」や「BDSP」の舞台であるシンオウ地方と今作の舞台であるヒスイ地方は、他のシリーズ作に比べると非常に神話の存在感が大きい地域です。

作中のキャラのセリフですが「分からないなりに世界のありようを教えてくれるのが神話である」というものがあります。

ストーリー中でも「時空の裂け目」が現れたり「キング・クイーン」が荒ぶったことに対して、様々なキャラクターが様々な解釈をしています。

作中のキャラクターたちは超常的な現象に対して「分からないなりに」理由を考え、それに向き合っていきます。

これはまさに神話の構造と同じです。

それぞれの登場人物が自分独自の「神話的思想(解釈)」を持っており、他の人物の「神話的思想」とぶつかり合ったり、触れ合いながら少しずつ変化していくのです。

この表現はストーリーが薄味だからこそできたことなんじゃないかなと思います。

ストーリーがガチガチに作られてしまっていると多種多様な解釈なんてできませんからね。

こういう意味では今作のストーリーはなかなか面白くて好みです。

神話の存在感が大きいシンオウ地方、ヒスイ地方と非常にマッチしています。

それでも少し、ストーリーに味付けしてほしかった感じもありますが。

もうひとつ、このゲームの大きな見せ場は裏ボスです。

あれはもう興奮せざるを得ないです。

展開も演出もBGMも素晴らしい。

特に「DPt」、「BDSP」が好きな人は興奮しすぎて死んでしまうのではないかという気持ちになるほどです。

シンオウ地方が好きな人は裏ボスのためだけにプレイするのもアリだと思います。

良かったところ

・プレイの邪魔にならない塩梅のストーリー

・これまでになかった神話的ストーリー

・裏ボスの展開が熱すぎる

良くなかったところ

・もう少し深堀りしてほしかった

評価

★★★★★★★★★☆ (10点中9点)

清芽津
清芽津

世界観とストーリーのシナジーがすごかった(こなみかん)

観点3 キャラクター

たくさんのキャラクターが登場しますが、注目ポイントは「先祖キャラ」ですね。

過去のシリーズ作に登場したキャラクターの先祖らしき人たちがたくさん出てきます。

先祖だと明言されているわけではないですが、過去の時代の物語で見た目が似ているキャラが出てくるとなれば先祖と考えても良いでしょう。

それぞれのキャラクターを見て誰の先祖なのか考えるというのが楽しいポイントの一つです。

「DPt」や「BDSP」以外の作品のキャラの先祖っぽいのもいるので、シリーズをいろいろプレイしている人はいろんな妄想を楽しめるかと思います。

先祖キャラ以外の要素でいうと、先述したように主要キャラがそれぞれの神話的思想を持っているおかげで性格がわかりやすいです。

主要キャラ達は自分たちの思想をぶつけ合ったりして成長・変化していく姿を見せてくれるので愛着がわきます。

結構好きになるキャラも多かったです。

人によっては不快感あるだろうなというキャラも数名いました。

何気にモブキャラにも一人ひとり名前がついているのがすごいところだと思いました。

モブキャラでも名前とサブクエストのおかげで結構特徴が見えてきたりするのも良いです。

もちろんサブクエストでも特に特徴のない真のモブも多数いますが、そこは仕方ないのかな。

良かったところ

・過去作を知っていれば「先祖キャラ」を楽しめる

・主要キャラの成長・変化を見ることで愛着がわく

良くなかったところ

・人によっては不快に感じるキャラがちらほら

評価

★★★★★★★★☆☆ (10点中8点)

観点4 BGM

BGMは非常に良いです。

シンオウ地方よりも古い時代ということなので「DP」や「BDSP」で登場したBGMがアレンジされているものも結構多いです。

「BDSP」では「DP」に忠実にアレンジしたBGMが多かったですが、今作は結構大胆なアレンジが多い印象です。

特にユクシー・アグノム・エムリットの戦闘BGMは原曲とはかなり違う雰囲気に仕上がっていました。

雰囲気は変わっていてもイメージ自体は損なっていないのが非常に良かったです。

先述した裏ボスのBGMも「DPt」や「BDSP」のアレンジが使われています。

滅茶苦茶好きです。たまらんです。

裏ボスBGMは複数あるのですが、どちらも一日中脳内再生余裕でした。

BGMだけでも良いのですが、あの展開と演出でさらに破壊力が増します。

「DPt」「BDSP」が好きな人は絶対に体験したほうがいいですね。

エンディングのBGMも良かったです。

色んな面で本当にシンオウファンの心を分かっているなと思いました。

新曲ももちろんあります。

新曲は主にフィールドBGMですが、少し主張が控えめな印象があります。

あくまでバックグラウンドの音楽っていう感じですが、没入感を高めてくれるので良い使い方だと思います。

広いフィールドを探検するという行動に非常に合います。

良かったところ

・大胆なアレンジが多くて楽しい

・ファンの喜ばせ方をわかっている

良くなかったところ

特になし

評価

★★★★★★★★★★ (10点中10点)

清芽津
清芽津

基本的にBGMに関しては文句なしです

観点5 難易度

難易度に関しては「ポケモンバトル」と「ボス戦」に分けて書いていきます。

ポケモンバトル

バトルの難易度は少し高めかなと思いました。

これまでのシリーズとは少し違う点がいくつかあります。

全部を列挙していくと長くなってしまいますが、一言でいうと結構大味なバランスです。

こちらのほうがある程度レベルが高くてもあっさり倒されることもあります。

逆もまた然りです。

また、技の種類もこれまでのシリーズよりも少なかったり、効果が結構変わっていたりしたので新鮮な気持ちで楽しめました。

今作は行動順という要素があり、基本的には素早さが高いほうが有利になりやすいので、そこは少し残念に思いました。

強いポケモントレーナー相手だと1体倒したらこっちも1体倒されるという展開になりがちなので、そこも何とかしてほしいです。

新鮮さはあるがバランスがいいわけではないという印象です。

ボス戦

ボス戦はアクションゲームになります。

ボスポケモンの攻撃をかわしながら「シズメダマ」というアイテムを投げて相手のゲージを減らしていくという内容です。

Yボタンを押せば少しだけ無敵状態になる回避行動を使うことができます。

ただこれだけの結構シンプルなゲームです。

この作品のゴールであろうアルセウス戦も同じ方式で戦います。

序盤のボスは結構簡単でしたが、終盤はそれなりに苦労させられました。

発売前はボス戦がおもしろいのかどうか不安でしたが、実際にプレイしてみると思っていたよりも楽しかったです。

クリア後は再戦もできるのでときどき楽しませてもらってます。

アクションゲームが苦手な人にとっては厳しい部分もあるかもしれませんが、敵のゲージ状態を引き継いでリトライできるので安心です。

良かったところ

・今までとは違う新鮮なポケモンバトルが楽しめる。

・ボス戦のアクションが意外と楽しい。

・ボス戦に救済措置が用意されている。

良くなかったところ

・ポケモンバトルのバランスは良くない。

評価

★★★★★★★★☆☆ (10点中8点)

清芽津
清芽津

レジェンズシリーズが続くならポケモンバトルについては改善してほしいですね

観点6 フィールド

今作のメイン要素です。

メイン要素でありながら、かなり好き嫌いが分かれる要素があります。

順を追って説明していきます。

広いフィールドを探索しながらポケモンを捕まえたり、戦闘したり、アイテムを集めたりします。

ストーリーが進むとライドポケモンが解禁され、ポケモンに乗って水上を進んだり、空を移動したり、崖を登ったりできるようになり、行ける場所が増えていきます。

ポケモンに乗って斜面を降りるのがもののけ姫っぽくて好き

フィールドにはたくさんのポケモンがいます。

こちらを見つけると襲ってくるポケモンもいるのでそういったポケモンからは隠れたり逃げたりする必要もあります。

人懐っこいポケモンは近くに寄って来ることもあります。かわいいです。

ポケモンの捕獲は戦闘せずにスピーディにできます。もちろん従来どおり戦闘して捕まえることもできます。

そうやってフィールドをさまよいながら、ポケモンを捕まえていくのがとても楽しいです。

手持ちのポケモンを観察することもできます。かわいい。

一方で、先ほども言った通り好き嫌いが分かれる要素があります。

「図鑑タスク」です。

新しいエリアに進むにはポケモン図鑑の「図鑑タスク」をこなして団員ランクを上げる必要があります。

「図鑑タスク」をこなすには、同じポケモンを何匹も捕まえたり、倒したり技を見たりする必要があります。

作業ゲーを強制されるということですね。

作業ゲーが嫌いな人には苦痛だと思います。

ポケモンが好きであれば何とかなるかもしれませんが、そうではない人には厳しいでしょう。

このゲームの好き嫌いが分かれるのはこの作業を楽しいと感じるかどうかにかかっています。

そんなわけで作業ゲーが嫌いな人にはおすすめはできないです。

良かったところ

・単純にフィールドをさまようのが楽しい

・ポケモンから襲われたりするのが今までにない経験なので楽しい

・戦闘せずにポケモンを捕獲できる。

良くなかったところ

・作業ゲーを強制される

評価

★★★★★★★★☆☆ (10点中8点)

清芽津
清芽津

個人的には10点でもいいかなって感じですが、作業ゲーの強要がかなり人を選ぶ感じになってそうなのでこうなりました

観点7 UI

UIについてはちょっと残念なところが多いかなという印象です。

例えば、フィールド探索中は捕獲用アイテムメニューと手持ちポケモンメニューをXボタンで切り替えるのですが、かなり誤爆しやすいです。

自分が慣れてないだけかと思っていましたが、ネット上でも同じ事を言っている人もそこそこいました。

さらに、フィールド上で呼び出すライドポケモンも十字ボタンの左右でしか切り替えることができないということも不便だったりします。

アイテム採集するときはいちいちライドポケモンから降りないといけなかったり、細かいことだけど確実にストレスにはなるだろうなっていうことが多々あります。

ゲーム性を大きく損ねるようなものはないのでそこは安心できます。

こまごまとした不便さがあるだけです。

戦闘面やポケモンの捕獲は過去作より非常にスムーズでストレスを感じにくいのでそれに関しては良かったと思います。

良かったところ

・戦闘や捕獲のスムーズさはシリーズでも随一

良くなかったところ

・細かいけど確実にストレスを感じる部分が多い

評価

★★★★★★★☆☆☆ (10点中7点)

清芽津
清芽津

UIに関しては昔からあと一歩なところがあるので今後に期待ですね

総合評価・まとめ

★★★★★★★★★☆ (10点中9点)

非常に面白いゲームでした。

ただ、作業ゲー的要素がゲームの中心になるので合わない人にはとことん合わないだろうなというのも感じました。

つまらないと言っている人の意見も間違いではないです。

作業ゲー要素を許容できるのであればしっかり楽しめるはずです。

今までのシリーズでは言及されてこなかったポケモンの一面について焦点を当てているので、シリーズをたくさんプレイしてきた人でも新鮮な気持ちで楽しめるでしょう。

ポケモンが好きな人、特に「DP」や「BDSP」が好きな人は絶対にプレイするべきだと思います。

というところで、今回はこのあたりで終わりにします。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

今作で一番好きなキャラ。イケメンですね。